株主優待を取得するには
今や上場企業の3分の1の1000社以上が株主優待を実施しています。
その内容は、自社製品の買い物券等にとどまらず、地域特産品やクオカードなどの金券等非常に魅力的な株主優待を実施している企業が多くあります。
株主優待を取得するには権利確定日を含めて4営業日前の権利付最終日に、現物株式を購入しておく必要があります。
2016年1月末に権利確定する株主優待を取得しようと思ったら、1月26日までに現物株式を購入し、1月27日以降に売却すると株主優待を取得する権利を得ます。
たった1日だけ株式を保有するだけで、株主優待をもらうことができるのです。
参考までに2016年の権利確定日一覧を下記に掲載します。
権利付最終日 | 権利落ち日 | |
---|---|---|
2016年 1月末 | 1月26日(火) | 1月27日(水) |
2016年 2月末 | 2月24日(水) | 2月25日(木) |
2016年 3月末 | 3月28日(月) | 3月29日(火) |
2016年 4月末 | 4月25日(月) | 4月26日(火) |
2016年 5月末 | 5月26日(木) | 5月27日(金) |
2016年 6月末 | 6月27日(月) | 6月28日(火) |
2016年 7月末 | 7月26日(火) | 7月27日(水) |
2016年 8月末 | 8月26日(金) | 8月29日(月) |
2016年 9月末 | 9月27日(火) | 9月28日(水) |
2016年 10月末 | 10月26日(水) | 10月27日(木) |
2016年 11月末 | 11月25日(金) | 11月28日(月) |
2016年 12月末 | 12月27日(火) | 12月28日(水) |
それなら権利付最終日に株式を買って権利落ち日に売ればいいじゃんと誰もが思いつきそうですが、権利落ち日に株価は下落することが多く、それが優待価値を上回る下落であれば損失を被る可能性もあります。
そこで登場するのがクロス取引という裏技です。

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クロス取引を行うには
権利確定日に現物株式を購入すると同時に信用取引で同じ銘柄の株式を空売りしておきます。
空売りとは証券会社等から株を借りてきて高値のうちに売却しておき、株価が下落したら底値で株式を買い戻して株を返却し利益を得る投資手法です。
株主優待タダ取りするためのクロス取引の流れは下記のとおりです。
- 権利確定日に信用取引で株式を売却
- 権利確定日に現物取引で株式を購入
- 権利落ち日に現物株式を品渡し
次にクロス取引に必要となる手数料について解説します。
信用取引には制度信用取引と一般信用取引の2種類があります。
制度信用取引は株不足になると逆日歩という手数料が発生します。
この逆日歩が優待価値を上回るほどの非常に高額になる場合があり、制度信用取引はクロス取引におススメできません。
一般信用取引であれば逆日歩の発生はありませんが、株不足時は抽選等になり確実に株が買える保証がありません。
貸株料は年利1%~2%程度発生し、4営業日であれば100万円の株でも200円程度です。
配当金は現物買いの配当受け取り分と信用取引の配当落調整金支払い分で実質相殺されます。
現物買い時に税金分が引かれて受け取りとなるため差額が生じますが、配当落調整金を損金として扱えますので確定申告すれば差額分は他の利益と損益通算されて実質負担は0となります。
さらにクロス取引時に発生した現物買い手数料、信用売り手数料、貸株料についても損金として扱えますのでさら他の利益と損益通算できてお得ですね!
内容 | 制度信用取引 | 一般信用取引 | |
---|---|---|---|
現物買手数料 | 各証券会社手数料に従う | 必要 | 必要 |
信用売手数料 | 各証券会社手数料に従う | 必要 | 必要 |
貸株料 | 年利1%-2%程度が日割で発生 | 必要 | 必要 |
逆日歩 | 株不足時に支払可能性有 | 必要 | 不要 |
配当金の受払 | 配当相当額の支払い | 実質負担なし | 実質負担なし |

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カブドットコム証券でクロス取引する方法
クロス取引をするならカブドットコム証券、もしくはSBI証券がおススメです。
今回はカブドットコム証券でのクロス取引する方法を解説します。
取引には現物取引口座に加えて信用取引口座の開設も必要となります。
1000円のクオカードがもらえる3月9月末に優待権利確定日を迎えるMISAWA(1722)をクロス取引する例です。
まずは信用取引画面からクロス取引したい銘柄を検索します。
新規をクリック。
権利確定日前日の19時~20時の間に信用売り注文を出します。
一般信用取引で注文を発注します。
すると株不足の場合に抽選に参加することができます。
20時以降は株不足とならなかった銘柄については引き続き購入可能です。
株不足の銘柄でもキャンセルが出る場合がありますのでちょくちょくチェックするといいでしょう。
20時以降に抽選結果のメールが届きます。
受付できた注文数があれば当選です。
信用売り注文が出ているか確認します。
合わせて反対売買の現物買い注文を出します。
翌日権利確定日の取引が終了し株主優待を取得する権利が確定した後に品渡しの注文を出します。
現物株式を信用売り建て注文に品渡しします。
品渡しが完了したか確認します。
最終的に発生した手数料は下記のとおり。
- 現物買い手数料:172円
- 信用売り手数料:106円
- 貸株料:6円
合計284円の手数料で1000円のクオカードを入手することができます。
あとは株主優待が届くのを待つだけです。
まだカブドットコム証券に口座開設がお済でない方は是非口座開設されることをおススメします。